「咲あん上京」鉄骨製品検査

榎田基明

現場での基礎や地中梁のコンクリート工事と平行して、鉄骨の工場では柱や梁の加工が進んでいます。 鉄骨工場まで製品検査に行きました。工場は福井県です。タイミング悪くやって来た台風に吹き飛ばされそうになりながら、高速道路を走りました。 まずは事務所で書類検査、その後工場内で実測、目視などの検査です。 写真:テープ合わせ。現場の鋼尺と工場の綱尺の誤差を確認。 テープ合わせ。鉄骨の加工はミリ単位の精度が要求されます。現場で使う鋼尺と工場で使う鋼尺がぴったり合っているか確認するのです。5Nの力で引っ張り24m伸ばして、許容される誤差は±2.7ミリです。結果は現場用が+0.6ミリで合格。 工場長は「1ミリ目盛りの1/100を見るんや」と言ってはりました。さすが。 写真:柱の仕上がり実寸を計測 溶接加工が済んだ柱や梁が図面通りの寸法に仕上がっているか、測って確認します。この大きくて重たい8m長さの鉄骨柱を誤差1ミリ未満で仕上げる技術には恐れ入ります。 写真:溶接箇所の超音波試験 溶接箇所まわりの超音波探傷試験。表面には現れていない内部の傷の状態を、超音波を使って確認します。第3者機関の調査会社が検査します。 梁の貫通孔補強 「咲あん上京」は建物の高さを抑える必要がありながらも多くの個室が配列されるので、換気など設備の配管を通すために梁に貫通孔がたくさん開きます。構造計算をした上で孔の位置やピッチを決めます。貫通孔の補強材も工場で取付けられます。