榎田基明
予定では、今週から杭工事に入ることになっていましたが、地中の既存解体が続いています。
敷地の南東角は前面道路と隣地通路に接していて、その間際の解体を残すのみ、なのですが…
隣地通路を崩すことのないよう、山留めを作り、周囲の地盤面を掘り下げながら迫って行き、もうこれで完了かと思っていたところ、またコンクリートの床版らしきものが出てきました。
次々と大きな難関が現れます。ユンボを駆使して、こんなに難しい解体工事をされる監督や職人さんたちはほんとにすごいです。
これは大割と呼ばれるアタッチメントで、コンクリートの塊を砕くのに使われます。
コンクリートから鉄筋やH鋼が外されて山のように積み上げられています。
コンクリート躯体を砕く大きな音と振動が続いています。近隣の方々には長い間我慢していただいている状況です。なんとか、これ以上現れないように祈るばかりです。

その展覧会に来られた幼稚園の園長先生が、展示していた手洗いボウルを気に入って下さって、改修工事中だった幼稚園に設置して頂きました。工事が完成し、竣工見学会をされるとのことで、行ってきました。
元は園長先生がお住まいだった木造の家を、園児や保護者の方々などが様々に使える建物として再生されていました。古い建物を活かした空間に、弟作の洗面ボウルが馴染んで納まっていました。
縁側が園庭に向けて開かれて、とってもいい空間でした。
背後に続くのは堀川高校のクラブハウス。高さをだいたい揃えて、屋根の形も同じような勾配にしてあります。建物の幅が狭いので、中途半端に小さな三角屋根が乗るより、こういう連続性は心地よいかなと考えました。
ただ、 京都市の景観政策課で「片流れは屋根ではない」とまで言われてしまいました。片流れ屋根は”京都らしくない”のでしょうか。今回のこの場所であれば、という場所性を指摘してようやく実現。立ち上がってみて、改めて「よかった」と思いました。