榎田基明
去年の11月にミセノマ企画で開催した「すまいと陶」。普段は食器を主に製作している私の弟が、建築と陶芸の関わりをテーマに展示しました。
その展覧会に来られた幼稚園の園長先生が、展示していた手洗いボウルを気に入って下さって、改修工事中だった幼稚園に設置して頂きました。工事が完成し、竣工見学会をされるとのことで、行ってきました。
元は園長先生がお住まいだった木造の家を、園児や保護者の方々などが様々に使える建物として再生されていました。古い建物を活かした空間に、弟作の洗面ボウルが馴染んで納まっていました。
縁側が園庭に向けて開かれて、とってもいい空間でした。

背後に続くのは堀川高校のクラブハウス。高さをだいたい揃えて、屋根の形も同じような勾配にしてあります。建物の幅が狭いので、中途半端に小さな三角屋根が乗るより、こういう連続性は心地よいかなと考えました。
ただ、 京都市の景観政策課で「片流れは屋根ではない」とまで言われてしまいました。片流れ屋根は”京都らしくない”のでしょうか。今回のこの場所であれば、という場所性を指摘してようやく実現。立ち上がってみて、改めて「よかった」と思いました。