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京都保育のつどいに参加しました

桜井郁子

私たちも加盟している建築設計者のユニオン・建交労京都建設関連部会として、京都保育のつどいに参加しました。 午前は記念講演としてアーサー・ビナードさんのお話しを聞きました。アメリカ・ミシガン州生まれの詩人で、翻訳もあるけれど、日本語でも詩作をされている方です。 日本語をホントによくご存じで、とても丁寧に言葉を選んで使っているのが印象的でした。来日したてのころ、湾岸戦争のイラク派兵が議論されていて、そこで日本の生きた憲法を目の当たりにして、アメリカ憲法を読み直したのだそうです。アメリカ憲法の「武器を持つ権利」とは、制定された当時、どういう思いを持って盛り込まれたものなのか。ジェームスなどは「25年もすれば、政府が腐ってくるので革命が必要」「政府に対して市民がいつでも楯突くことができるように」権利としての武器所持を盛り込んだということが分かったそうです。しかも武器とは、刀と弓矢と火縄銃程度。日本人的に「百姓一揆の権利」と言えば分かりやすいでしょうか・・・とおっしゃっていました。イメージしやすい例えがするするっと出てくるところがやはりスゴイです。 講演が終わり、昼休みは1時間半。そこで建築設計の事例紹介のパンフレットを配りました。パネルを掲示したテーブルで待っていても、なかなか「取りに来てくれる」訳でもないので、「どうぞ読んで下さい」と積極的に配ってみました。みなさんの園舎を考えるための手助けになるといいのですが。 最後にみんなで記念撮影です。 写真:京都保育のつどいに参加したメンバーで集合写真です

京都の近代建築を考える会総会

桜井郁子

先月の末、「京都の近代建築を考える会」の総会が開かれました。 「市民が選ぶ文化財」と銘打って、年に一度の総会のタイミングで、京都市内の近代建築を顕彰する取り組みが続いています。使い続けてくれてありがとう、これからも応援しています、という意味を込めて、顕彰文の賞状と小さなプレートを贈呈しています。12回目の今年は、伏見区にあるモリタ製作所です。 写真:モリタ製作所の前で集合写真 発電所として作られた一棟の建物ですが、二棟がくっついたようにも見えます。屋根を分割して高さを抑えることで見た目の印象としても圧迫感が少なく、とても優雅に見えます。 総会の記念講演として、京都工芸繊維大学の石田教授のお話しを聞きました。これまで不明であった設計者が、いろいろな調査の結果、ようやく判明したとのお話しでした。このタイミングでそんなホットな情報が飛び込んでくるのも、実はこの建物が喜んでくれて教えてくれたのかも知れません。

「京の職人-匠のしごと-」で西陣を巡る

桜井郁子

今日は、京都高齢者大学の「京の職人-匠のしごと-」の2回目。「西陣織の歴史探訪」と題して、西陣織会館、織成館、綴れ織り工房を巡りました。

西陣織会館で目に付いたのは、製造工程を示したパネルの手前に本物のかいこさんがいたことです。むしゃむしゃと元気に桑の葉っぱを平らげていました。さて、この子たちはこれから繭づくりを見せてくれるでしょうか。

大勢の外国人観光客と共に「きものショー」を堪能した後、西陣のまちを歩きました。山名宗全の屋敷跡や番組小学校だった西陣小学校などを巡り、織成館へ。実際にジャガード織りをされている様子を見学し、続いて染め糸の不思議な変化を体験しました。蛍光灯で見ていたときには「なかなか渋い色だ」と思っていた糸が、白熱電球(太陽光の代わり)に照らされると華やかな色に大変身。かつてはかがり火程度の明るさだったので、もう少しおとなしい色調で見えていたようです。それにしてもずいぶんな違いです。照明計画は難しいわけです。

写真:蛍光灯に照らされるて渋い色の染め糸

蛍光灯に照らされるて渋い色の染め糸

写真:白熱電球に照らされると華やかな色になる染め糸

白熱電球に照らされると華やかな色になる染め糸

この中でも左から3番目にある糸束は黄櫨染(こうろぜん)という色で、かつては天皇しか着用できない禁色だったそうです。なので、お雛さまでも黄櫨染の着物を着ているのは格式が高いとか。高貴な色と言えば紫かと思っていましたが、確かにこの色も特別な場合にしか目にしませんでした。

続いて綴れ織り工房を訪ねました。綴れ織りは、職人さん自身のツメをのこぎり状に研いで、筬(おさ)の代わりに緯糸(ぬきいと:よこ糸のこと)を掻き寄せて織り上げていくのが特徴です。そのため細かい模様が作れる反面、一日に数cmしか進まないこともあるなど、とても手間がかかるのだそうです。日常生活での不便はありませんかとお聞きすると、かつて同じく職人だったお父さんとお風呂屋さんに行った時、背中を流してもらって…痛い思いをされたそうです。ひぃ。

西陣の地に事務所を構えていながら、着物を着る機会も少ないですし、西陣織を詳しく知る機会もなかなかありませんでした。今回は、「ほら、あのよこ糸をシャーと投げ飛ばす道具(=杼(ひ)のこと)」とか「よこ糸を押さえるのにトントンする櫛みたいの(=筬(おさ)のこと)」とか、実物とその役割をよくよく見せて頂いて、自分の語彙不足をほんの少しは解消できたと思ったのは思い上がりすぎでしょうか。

夏野菜成長中

榎田基明

春のお彼岸前に植えたジャガイモの花が咲き始めています。
そして、ゴールデンウィーク前に植えた夏野菜たち、ぐんぐん成長中です。

写真:成長中の夏野菜

トマト、きゅうり、なす、パプリカ、おくら、いんげん豆。小さなきゅうりがなり始めました。トマトも膨らんできましたが、赤くなるのには時間がかかるそうです。

150玉植えた玉ねぎはもう収穫どき。来週には全部ぬいて、うちの軒先にぶら下げるのです。先週植えたさつまいもはちょこっと芽を出しています。

畑って大変!

作物それぞれに少しずつ手入れの仕方が違うし、それに常に先のことを考えながら、いいタイミングで、準備して植えて世話して収穫して・・・が幾重にも重なり合っているのですね。(当たり前なんだけど・・・)
すべて初体験の我が家は、植物の生命力や不思議、さらにそれを狙う生き物たちにびっくりの連続です。

奈良・吉野へ出かけてきました

桜井郁子

今年は木造のことを改めて学ぼうとMOKスクールに通い始めています。今日は吉野の山へのバスツアーがありました。

写真:吉野杉の山

吉野杉の植林の特徴は、密生・多間伐・長伐期で、確かに樹齢200年以上の吉野杉が生い茂る様は圧倒的です。密生させることでゆっくりと生長させて年輪の幅が密になります。早い段階からこまめに間伐することで、節の少ない材木になります。50年60年ではまだまだ使える材にならないという、気の遠くなるような時間が流れていました。そしてこれだけ密生していても思いの外明るいのも手入れが行き届いているという証拠。日本の山が荒れていると言われて久しい中にあって、吉野杉のプライドを垣間見た思いです。

写真:味噌醤油工場の木桶

吉野杉は樽丸(酒樽などの側板に使われる材料)で特に有名でした。吉野杉の桶(ふたがあるものを樽、ないものを桶とだいたい呼び分けているようです)を実際に使われている味噌醤油工場を見学。さらに樽丸の製材工場で製造過程を見学しました。まずは大きな丸太から、バームクーヘンのようにというかみかんのようにというのか、おおまかに割ります。赤身と白太の境目あたりを使うのだそうで、年輪に沿って曲がった包丁のようなものでさらに割っていきます。そして「セン」という道具を使って厚みを均一に仕上げたら、完成。これが樽屋さんに運ばれて樽や桶が作られるのだそうです。

写真:樽丸の製作工程(丸太を大まかに割る)

樽丸の製作工程(丸太を大まかに割る)

写真:樽丸の製作工程(包丁で年輪に沿って割る)

樽丸の製作工程(包丁で年輪に沿って割る)

写真:樽丸の製作工程(センで仕上げる)

樽丸の製作工程(センで仕上げる)

そして最後に製材所にお邪魔して実際の製材を見せて頂きましたが、今回はこの樽丸の行程を見せて頂いたのが非常に印象に残っています。すごい技術です。

もうひとつ忘れてならないのは、お昼ご飯のお弁当。

写真:竹の皮に包まれたお弁当

竹の皮に包まれた素朴なお弁当でしたが、モミジの枝が挿してあって、いかにも「森の恵み」といった風情です。葉っぱビジネスが成功するのも分かる気がしました。