桜井郁子
先月の末、「京都の近代建築を考える会」の総会が開かれました。 「市民が選ぶ文化財」と銘打って、年に一度の総会のタイミングで、京都市内の近代建築を顕彰する取り組みが続いています。使い続けてくれてありがとう、これからも応援しています、という意味を込めて、顕彰文の賞状と小さなプレートを贈呈しています。12回目の今年は、伏見区にあるモリタ製作所です。 発電所として作られた一棟の建物ですが、二棟がくっついたようにも見えます。屋根を分割して高さを抑えることで見た目の印象としても圧迫感が少なく、とても優雅に見えます。 総会の記念講演として、京都工芸繊維大学の石田教授のお話しを聞きました。これまで不明であった設計者が、いろいろな調査の結果、ようやく判明したとのお話しでした。このタイミングでそんなホットな情報が飛び込んでくるのも、実はこの建物が喜んでくれて教えてくれたのかも知れません。