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「咲あん上京」地盤改良工事がはじまりました

榎田基明

写真:地盤改良工事の様子 柱状改良といって、地中深く支持地盤まで柱状に掘り進めながらセメント系の固化剤を送り込み、現場の土と混ぜ合わせて、硬い柱を何本も地中に作る工法です。その硬い柱の上に、建物の基礎が載ります。 写真:地盤改良工事の様子 写真:地盤改良工事の様子 まず初めの1本目は、私たち設計事務所の立ち会いのもと、固化剤の配合や地中の支持地盤などを確認しながらの作業です。 設計時のボーリング調査で、この敷地の地中の支持地盤は、地下9m前後のところにあることがわかっています。現場に据えたプラントで配合した固化剤を地中に送りこみながら掘っていくと、8mを超えたところで支持地盤に当たりました。 地盤の強さを確認して掘削機械を引き抜きます。 写真:地盤改良工事の様子 取り去ることが出来なかった既存の地下建物を避けて、改良柱の位置や建物基礎の形状を変更しています。地中の工事は、隠れてしまうので見えない部分ですが、多くの種類の技術に支えられているなぁ、とつくづく実感です。建築は職人さんたちの専門技術の結集ですね。

「咲あん上京」ようやく解体完了

榎田基明

とうとう地中の既存解体工事が終わりました!

次々に現れる見えない難関からやっと開放されました。

写真:ようやく解体完了

これからは図面に沿った工事です。工事の遅れを取り戻すべく、きっと着々と進みます!

今日は道路境界に沿って地中にコンクリートを打って、道路面を崩さないように壁を作っています。

写真:ようやく解体完了

そして明日からは地盤改良工事です。

建物を支えるために、地中の硬い支持層にむけて柱状に土を固めていきます。

東山何でも探検隊 ―東大路と四条通を歩く

榎田基明

東山区でまちづくり運動に取り組んでいる住民団体「いいまちねっと東山」では、地域の課題やその対策を考えていくには現場を体感することが大切ということで「東山何でも探検隊」を開催しています。先日は、東大路と四条通を歩きました。

京都市は、都心や観光地での歩行環境を改善しようと、四条通(川端通~烏丸通間)と東大路(三条通~七条通間)で4車線の車道をを2車線に減らし歩道を拡幅する計画を進めています(四条通整備事業情報「歩いて楽しい東大路」歩行空間創出事業)。東大路はまだ構想段階ですが、四条通は既に工事が始まり今秋の完成が予定されています。そこで四条通の状況を見ることで東大路の計画について住民の立場で考えようという趣旨です。

写真:いいまちねっと東山「何でも探検隊」の旗

いいまちねっと東山「何でも探検隊」の旗

最初に東山五条から清水坂を京都市清水坂観光駐車場まで登りました。朝9時を少し回ったところでしたが既に観光バスが40数台が駐まっていました。気候が良いとはいえ観光客の出足は少し落着いた時期ですのでどんどんバスが入ってくるという状況ではありませんでしたが、狭い清水坂を歩行者を1mもない歩道に押し込めて大型バスが行き交うのはやはり良くありません。ただ坂道なので歩くのは高齢者にはかなりつらいので代替手段が要ります(代替のアイデアは土居靖範・他『LRTが京都を救う』をご覧下さい)。

写真:早い時間帯から観光バスで一杯の京都市清水坂観光駐車場

早い時間帯から観光バスで一杯の京都市清水坂観光駐車場

写真:清水坂に入ってくる観光バス

清水坂に入ってくる観光バス

東大路は日曜日の午前でまだ空いている時間帯ということもあって渋滞よりも歩道の状態が話題になりました。松原通~五条通間では歩道が外側にひどく傾斜しています。参加した地元のおばあさんは「体調が悪い時はバランスが取りにくいので足を挫きそうになる」と言っていました。

なんでもこの区間は市電が走っていた時の敷石の上に舗装を重ねているので車道が異常に高くなっていて、松原通以北は敷石を取り払ったので比較的フラットになっているという話しもあります。真偽の程は確認が必要ですが…

写真:意外に空いていた東大路通

意外に空いていた東大路通

写真:大きく傾いた東大路の歩道(東山消防署付近の西側)

大きく傾いた東大路の歩道(東山消防署付近の西側)

さて、祗園からはバスに乗り四条通の混雑を体験!のはずが予想に反して車が少なく、10分とかからず四条烏丸に到着。そこから四条通を祗園方向へ歩きました。

写真:予想に反して車が少なかった四条通(大丸付近から西を望む)

予想に反して車が少なかった四条通(大丸付近から西を望む)

写真:予想に反して車が少なかった四条通(四条烏丸から東を望む)

予想に反して車が少なかった四条通(四条烏丸から東を望む)

広いところでは歩道の幅が倍になります。工事中で真ん中に柵が立っていたり路面が凸凹していたりしていましたが、歩きやすくなっていること明らかです。いつも混雑する新京極・寺町通との交差点などは大きく改善されそうです。

写真:歩道の幅が倍になる新京極・寺町通の交差点付近

歩道の幅が倍になる新京極・寺町通の交差点付近

バス停は四条河原町と四条高倉の2カ所に統合されて3台ずつ停まれるようになります。ただ全区間で歩道が倍になるわけではなく、街区毎に1カ所ずつ停車スペースがつくられます。

写真:1度に3台停まれるようになるバス停、現在は手前から乗り場・降り場・降り場になっている(大丸前の西行き)

1度に3台停まれるようになるバス停、現在は手前から乗り場・降り場・降り場になっている(大丸前の西行き)

写真:街区毎に1ヵ所設置される停車スペース(富小路~柳馬場間の北側)

街区毎に1ヵ所設置される停車スペース(富小路~柳馬場間の北側)

工事は進んでいますが、完成時、バス系統は変更されるのか? 停車スペースは荷捌き専用なのかマイカーも停まれるのか? タクシーの降車はどうなるのか?(乗り場は西行きは高島屋前、東行きは大丸前だけになります)通過だけのクルマを規制しないと混雑するのでは?等々、疑問や課題はたくさんありますが、歩行者優先に方向が変わりつつあることは歓迎です。

交通問題に取り組んできた京都の市民・住民運動は1980年代後半から四条通を歩行者と公共交通だけのトランジット・モールにすべきと提案してきました。クルマを走りにくくすることに対して日本では大きな抵抗がありますが、都心の自動車交通量の削減が都市再生の要であることは国内外の多くの例で実証されています。京都の市電を守る運動を経験した市民・住民運動はいち早くこのことに気づいていました。

また、沿道商店の組合である四条繁栄会も、実態調査で来客の圧倒的多数が電車やバスできていることがわかり、10年ほど前から歩行空間の拡大を検討してきました。その実現に向けたステップがようやく一つ進みそうです。

一方、四条通でも鴨川より東の祗園では歩道拡幅は行われません。観光客も多い地区ですのでいずれ歩行者空間を広げることが必要だと思います。

写真:祗園の四条通(今回、歩道拡幅はされない)

祗園の四条通(今回、歩道拡幅はされない)

写真:石畳と町家の風情でたくさんの観光客が歩いているのにクルマが通れる花見小路(土日ぐらいは歩行者専用にできないものか?)

石畳と町家の風情でたくさんの観光客が歩いているのにクルマが通れる花見小路(土日ぐらいは歩行者専用にできないものか?)

写真:おまけ… プリンセスラインバスに今春導入された韓国製の電気バス(Do You Kyoto? も結構ですが、市バスも全車電気バスにする意気込みがほしい!)

おまけ… プリンセスラインバスに今春導入された韓国製の電気バス(Do You Kyoto? も結構ですが、市バスも全車電気バスにする意気込みがほしい!)

「咲あん上京」解体工事、最後の難関!?

榎田基明

予定では、今週から杭工事に入ることになっていましたが、地中の既存解体が続いています。

写真:「咲あん上京」解体工事の様子(敷地の南東角)

敷地の南東角は前面道路と隣地通路に接していて、その間際の解体を残すのみ、なのですが…

隣地通路を崩すことのないよう、山留めを作り、周囲の地盤面を掘り下げながら迫って行き、もうこれで完了かと思っていたところ、またコンクリートの床版らしきものが出てきました。

次々と大きな難関が現れます。ユンボを駆使して、こんなに難しい解体工事をされる監督や職人さんたちはほんとにすごいです。

写真:「大割」を装着したユンボ

これは大割と呼ばれるアタッチメントで、コンクリートの塊を砕くのに使われます。

コンクリートから鉄筋やH鋼が外されて山のように積み上げられています。

写真:コンクリート塊から外され積み上げられた鉄筋とH鋼

コンクリート躯体を砕く大きな音と振動が続いています。近隣の方々には長い間我慢していただいている状況です。なんとか、これ以上現れないように祈るばかりです。

幼稚園の見学会に行きました

榎田基明

去年の11月にミセノマ企画で開催した「すまいと陶」。普段は食器を主に製作している私の弟が、建築と陶芸の関わりをテーマに展示しました。 写真:ミセノマ企画第6回「住まいと陶」の会場の様子(2014年11月) 写真:ミセノマ企画第6回「住まいと陶」の会場の様子(2014年11月) その展覧会に来られた幼稚園の園長先生が、展示していた手洗いボウルを気に入って下さって、改修工事中だった幼稚園に設置して頂きました。工事が完成し、竣工見学会をされるとのことで、行ってきました。 元は園長先生がお住まいだった木造の家を、園児や保護者の方々などが様々に使える建物として再生されていました。古い建物を活かした空間に、弟作の洗面ボウルが馴染んで納まっていました。 写真:幼稚園に設置された陶器の手洗いボウル 縁側が園庭に向けて開かれて、とってもいい空間でした。 写真:園児や保護者の方々などが様々に使える建物として再生された住宅