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「東山何でも探検隊」の記事を転載していただきました

榎田基明

今年の5月に「東山何でも探検隊 ―東大路と四条通を歩く」という記事を掲載しましたが、その記事を「くらしと自治 京都」(京都自治体問題研究所)9月号に転載していただきました(このリンク先からダウンロードできます)。文章はそのままで、紙面の都合で写真が何枚か省略されていますので元のブログの記事を見てもらう方がよいのですが、紹介だけしておきます。

その後の四条通の様子はきちんと見ることができていませんが、懸念していたとおりバス停で後続のクルマが詰まる状態がかなりひどかったようで、バス乗降時間短縮のために歩道上での改札が行われるようになりました。バスでの車外改札は全国初のようですが、広島駅前では路面電車降車時の改札をかなり以前からホーム上で行っています。

車外改札の効果なのかシルバーウィークのバスの遅延はそれほどでもなかったとの報道がありました(京都新聞 2015年10月2日)。そうはいっても遅延が発生していることは周知の事実ですので、やはり「通過交通の規制」と「バス系統の大幅再編」は必須ではないかと思います。この2つの課題に手を付けないとなると観光シーズンの度に「四条通また大混乱!」というようなニュースが飛び交うことになるのではないでしょうか。

圧巻!「子育てのまち京都の夏・地蔵盆」

榎田基明

ミセノマ企画第11回 写真展「子育てのまち京都の夏・地蔵盆」にお越しいただいた皆さまありがとうございました(京都新聞、京都民報に記事を掲載していただきました)。

神谷さんの写真はいろいろ見てきたつもりですが、今年も初めて目にする写真がたくさんあって驚くばかりです。「地蔵盆を上京区に見てみる」ということで上京区を6ブロックに分けて作成されたパネルが圧巻でした。また、1枚1枚丁寧に見ていくと普段とは違う賑やかで活き活きとした様子は、見慣れた町並みの「ハレの日」「晴れ姿」のようです。

会期末の2日間は多くの町内で地蔵盆が行われる日。神谷さんはカメラを持って走り回ったので会場には不在…今年の地蔵盆はどうだったのでしょうか。来年の写真展が楽しみです。

写真:「準備作業」「始まりのお知らせ」「おやつの時間」「景品の抽選」等の写真パネル

「準備作業」「始まりのお知らせ」「おやつの時間」「景品の抽選」等の写真パネル

写真:「ゲーム」「芸人や学生の出し物」「宵の大人たちの楽しみ」等の写真パネル

「ゲーム」「芸人や学生の出し物」「宵の大人たちの楽しみ」等の写真パネル

写真:上京区を6分割した圧巻の写真パネル

上京区を6分割した圧巻の写真パネル

写真:各町内のプログラムを集めたパネル

各町内のプログラムを集めたパネル

写真:神谷さんの本職?京都市電の写真

神谷さんの本職?京都市電の写真

画像:京都新聞2015年8月19日市民版の紙面「各町の表情豊か 地蔵盆切り取る 上京で写真展」

京都新聞2015年8月19日市民版の紙面「各町の表情豊か 地蔵盆切り取る 上京で写真展」

画像:京都民報2015年8月30日の紙面「絆深める地域の祭 地蔵盆撮り続けて20年 プロカメラマン・神谷潔さん」

京都民報2015年8月30日の紙面「絆深める地域の祭 地蔵盆撮り続けて20年 プロカメラマン・神谷潔さん」

送り火と地蔵盆

榎田基明

残暑お見舞い申し上げます。

久しぶりに「送り火」を見ました。家の近くの加茂街道からです。お盆は郷里に帰ることが多いのでなかなか毎年は見ることができません。

夕方、少し雨が降りましたが、風もなく良く燃えたように思います。何年か前、荒神橋東詰の近衛通で見ていた時、家の前の道路に椅子を出して座ってみていたおばあさんが「あ~今年もよう燃えとる」とつぶやいていたのを思い出しました。

写真:五山の送り火「大文字」

「送り火が終わると京の夏も終わり」などと観光ガイドに書いてあることがあります。しかし、京都のまちにはもう一つ大切な行事「地蔵盆」があります。私は京都育ちではないので経験はありませんが、子どもたちにとっては夏休みの最後の楽しみであり、それを何カ月も前から準備する大人たちにとっても町内のつながりを深める場となっています。

私たちの事務所がある町家シェアオフィスでは毎年この時期、写真家・神谷潔さんによる写真展「子育てのまち京都の夏・地蔵盆」を開催しています。お時間が許せば是非ご来場下さい。

ミセノマ企画第11回 写真展「子育てのまち京都の夏・地蔵盆」

  • 2015年8月18日(火曜日)~23日(日曜日)
  • 13時30分~17時

地蔵盆が終わると京都にも秋が訪れます。

東山何でも探検隊 ―東大路と四条通を歩く

榎田基明

東山区でまちづくり運動に取り組んでいる住民団体「いいまちねっと東山」では、地域の課題やその対策を考えていくには現場を体感することが大切ということで「東山何でも探検隊」を開催しています。先日は、東大路と四条通を歩きました。

京都市は、都心や観光地での歩行環境を改善しようと、四条通(川端通~烏丸通間)と東大路(三条通~七条通間)で4車線の車道をを2車線に減らし歩道を拡幅する計画を進めています(四条通整備事業情報「歩いて楽しい東大路」歩行空間創出事業)。東大路はまだ構想段階ですが、四条通は既に工事が始まり今秋の完成が予定されています。そこで四条通の状況を見ることで東大路の計画について住民の立場で考えようという趣旨です。

写真:いいまちねっと東山「何でも探検隊」の旗

いいまちねっと東山「何でも探検隊」の旗

最初に東山五条から清水坂を京都市清水坂観光駐車場まで登りました。朝9時を少し回ったところでしたが既に観光バスが40数台が駐まっていました。気候が良いとはいえ観光客の出足は少し落着いた時期ですのでどんどんバスが入ってくるという状況ではありませんでしたが、狭い清水坂を歩行者を1mもない歩道に押し込めて大型バスが行き交うのはやはり良くありません。ただ坂道なので歩くのは高齢者にはかなりつらいので代替手段が要ります(代替のアイデアは土居靖範・他『LRTが京都を救う』をご覧下さい)。

写真:早い時間帯から観光バスで一杯の京都市清水坂観光駐車場

早い時間帯から観光バスで一杯の京都市清水坂観光駐車場

写真:清水坂に入ってくる観光バス

清水坂に入ってくる観光バス

東大路は日曜日の午前でまだ空いている時間帯ということもあって渋滞よりも歩道の状態が話題になりました。松原通~五条通間では歩道が外側にひどく傾斜しています。参加した地元のおばあさんは「体調が悪い時はバランスが取りにくいので足を挫きそうになる」と言っていました。

なんでもこの区間は市電が走っていた時の敷石の上に舗装を重ねているので車道が異常に高くなっていて、松原通以北は敷石を取り払ったので比較的フラットになっているという話しもあります。真偽の程は確認が必要ですが…

写真:意外に空いていた東大路通

意外に空いていた東大路通

写真:大きく傾いた東大路の歩道(東山消防署付近の西側)

大きく傾いた東大路の歩道(東山消防署付近の西側)

さて、祗園からはバスに乗り四条通の混雑を体験!のはずが予想に反して車が少なく、10分とかからず四条烏丸に到着。そこから四条通を祗園方向へ歩きました。

写真:予想に反して車が少なかった四条通(大丸付近から西を望む)

予想に反して車が少なかった四条通(大丸付近から西を望む)

写真:予想に反して車が少なかった四条通(四条烏丸から東を望む)

予想に反して車が少なかった四条通(四条烏丸から東を望む)

広いところでは歩道の幅が倍になります。工事中で真ん中に柵が立っていたり路面が凸凹していたりしていましたが、歩きやすくなっていること明らかです。いつも混雑する新京極・寺町通との交差点などは大きく改善されそうです。

写真:歩道の幅が倍になる新京極・寺町通の交差点付近

歩道の幅が倍になる新京極・寺町通の交差点付近

バス停は四条河原町と四条高倉の2カ所に統合されて3台ずつ停まれるようになります。ただ全区間で歩道が倍になるわけではなく、街区毎に1カ所ずつ停車スペースがつくられます。

写真:1度に3台停まれるようになるバス停、現在は手前から乗り場・降り場・降り場になっている(大丸前の西行き)

1度に3台停まれるようになるバス停、現在は手前から乗り場・降り場・降り場になっている(大丸前の西行き)

写真:街区毎に1ヵ所設置される停車スペース(富小路~柳馬場間の北側)

街区毎に1ヵ所設置される停車スペース(富小路~柳馬場間の北側)

工事は進んでいますが、完成時、バス系統は変更されるのか? 停車スペースは荷捌き専用なのかマイカーも停まれるのか? タクシーの降車はどうなるのか?(乗り場は西行きは高島屋前、東行きは大丸前だけになります)通過だけのクルマを規制しないと混雑するのでは?等々、疑問や課題はたくさんありますが、歩行者優先に方向が変わりつつあることは歓迎です。

交通問題に取り組んできた京都の市民・住民運動は1980年代後半から四条通を歩行者と公共交通だけのトランジット・モールにすべきと提案してきました。クルマを走りにくくすることに対して日本では大きな抵抗がありますが、都心の自動車交通量の削減が都市再生の要であることは国内外の多くの例で実証されています。京都の市電を守る運動を経験した市民・住民運動はいち早くこのことに気づいていました。

また、沿道商店の組合である四条繁栄会も、実態調査で来客の圧倒的多数が電車やバスできていることがわかり、10年ほど前から歩行空間の拡大を検討してきました。その実現に向けたステップがようやく一つ進みそうです。

一方、四条通でも鴨川より東の祗園では歩道拡幅は行われません。観光客も多い地区ですのでいずれ歩行者空間を広げることが必要だと思います。

写真:祗園の四条通(今回、歩道拡幅はされない)

祗園の四条通(今回、歩道拡幅はされない)

写真:石畳と町家の風情でたくさんの観光客が歩いているのにクルマが通れる花見小路(土日ぐらいは歩行者専用にできないものか?)

石畳と町家の風情でたくさんの観光客が歩いているのにクルマが通れる花見小路(土日ぐらいは歩行者専用にできないものか?)

写真:おまけ… プリンセスラインバスに今春導入された韓国製の電気バス(Do You Kyoto? も結構ですが、市バスも全車電気バスにする意気込みがほしい!)

おまけ… プリンセスラインバスに今春導入された韓国製の電気バス(Do You Kyoto? も結構ですが、市バスも全車電気バスにする意気込みがほしい!)

こちらもイメージ一新

榎田基明

一昨年から龍谷大学にも非常勤講師で行っています。

深草キャンパスに今春、新学舎「和顔館(わげんかん)」がオープンしました。地上部は教室と先生の研究個室、“ラーニングコモン”という自由に使える学修スペース、地下が図書館です。

写真:龍谷大学深草キャンパスの新学舎「和顔館(わげんかん)」

外壁はほとんどがガラス張りで学生や先生、職員の動きを「見える化」するのがコンセプトの一つだそうです。確かに中の様子がよく見えます。講義中の教室も先生の研究個室も、内からも外からもすべて丸見えでなんだか落ち着かないという声を良く耳にします。また、中が見通せるので入りやすさはありますが、ガラスばかりなのでどこが建物の入口なのかがわかりにくいとの話しもあります。「慣れ」の問題かもしれませんが、どうなんでしょうか。

写真:龍谷大学深草キャンパスの新学舎「和顔館(わげんかん)」

大学校舎の「見える化」は全国的な傾向なので、いずれこれが普通になるのかもしれません。流行の一環なのか建物の一角には「学内スターバックス」もあります(学内といってもスタバのウェブサイト・店舗情報にも載っていて誰でも入れます)。

写真:龍谷大学深草キャンパスの新学舎「和顔館(わげんかん)」にオープンしたスターバックス

深草の龍谷大学と言えばレンガ色の建物が並ぶ重厚な印象を強く持っていましたが、これからイメージが一新されていくかもしれません。