榎田基明
柱状改良といって、地中深く支持地盤まで柱状に掘り進めながらセメント系の固化剤を送り込み、現場の土と混ぜ合わせて、硬い柱を何本も地中に作る工法です。その硬い柱の上に、建物の基礎が載ります。
まず初めの1本目は、私たち設計事務所の立ち会いのもと、固化剤の配合や地中の支持地盤などを確認しながらの作業です。
設計時のボーリング調査で、この敷地の地中の支持地盤は、地下9m前後のところにあることがわかっています。現場に据えたプラントで配合した固化剤を地中に送りこみながら掘っていくと、8mを超えたところで支持地盤に当たりました。
地盤の強さを確認して掘削機械を引き抜きます。
取り去ることが出来なかった既存の地下建物を避けて、改良柱の位置や建物基礎の形状を変更しています。地中の工事は、隠れてしまうので見えない部分ですが、多くの種類の技術に支えられているなぁ、とつくづく実感です。建築は職人さんたちの専門技術の結集ですね。 
その展覧会に来られた幼稚園の園長先生が、展示していた手洗いボウルを気に入って下さって、改修工事中だった幼稚園に設置して頂きました。工事が完成し、竣工見学会をされるとのことで、行ってきました。
元は園長先生がお住まいだった木造の家を、園児や保護者の方々などが様々に使える建物として再生されていました。古い建物を活かした空間に、弟作の洗面ボウルが馴染んで納まっていました。
縁側が園庭に向けて開かれて、とってもいい空間でした。