榎田基明
町並みゼミ最終日は、全体会で分科会報告と総括討議、大会宣言、次回開催地への引き継ぎが行われました。来年の第40回大会は、1973年、妻籠(長野)、今井町(奈良)とともに町並み保存連盟の結成を呼びかけた有松(愛知)です。
大会終了後は、いくつかのオプショナルツアーが組まれています。大会中に行けなかった前沢集落のツアーに参加しました。
南会津町は、10年前、田島町、舘岩村、印南村、南郷村が合併した町で、前沢集落は旧舘岩村にあります。明治40年の大火で全戸焼失後に一斉に新築したため、統一した景観となり、現在23戸のうち10戸の曲家が残されています。
大内宿と違い集落の外の国道沿いにある蕎麦屋と集落内の曲家資料館以外は、お店などがなく、生活をしている農家ばかりの生きた集落です。十数年前、初めて行ったのは重要伝統的建造物群保存地区になる前で、駐車場や蕎麦屋、資料館などはなく、集落の入口に適当に車を駐めて集落を見させていただきました。
集落の生活用水には西瓜が冷えていました。
私たちはよく冷えた「南郷トマト」をいただきました。南郷トマトは旧南郷村で栽培が始まり、現在は南会津町、下郷町、只見町などで栽培されています。品種は桃太郎ですが、他地域のものとは一味も二味も違います。毎年のように取り寄せていますが、8月頃、大丸京都店に並ぶことがあります。
帰り道に寄った舘岩物産館にこんな絵が飾られていました。豊かな恵みの中で楽しそうな子どもたち。会津の未来はこうなってほしい。