榎田基明
サービス付高齢者向け住宅「咲あん上京」。設計図は完成していますが、工事はまだまだこれからです。 建て主の京都保健会さんと施工者の藤木工務店さん、もえぎ設計+Fuu空間計画の設計チームで、事例見学に行ってきました。 西淀川に今月オープンした「フラワーひめじま」というところで、ここも同じサービス付高齢者向け住宅です。 「フラワーひめじま」「咲あん上京」は、建て主さん同士は民医連つながり、設計者もよく知った仲の事務所なので、とても身近な感じです。
オープンしたてでまだ本格稼働していなかったのですが、建て主さんたちと設計者がたくさん話して作り上げた建物だということがいっぱいに感じ取れました。
まちに開かれた前庭、そこから繋がるデッキとカフェスペース。住む人達が様々に過ごせる多様な空間。このあたりは「咲あん上京」と重なります。
大阪と京都の違い、使用する材料やデザインの違いなどがあるので、見た感じは違う建物になりますが、近い雰囲気もありそうです。
たくさん参考にさせていただきます。
ありがとうございました。 
地中に埋め込んだ地盤改良杭の上にコンクリート基礎を作るために、敷地全体の土を掘り起こしていきます。掘り起こした土は場外の土砂引き取り場へ運ぶため、10tトラックがこの鉄板の上を通って出入りしています。全ての土の搬出を終わるのに一週間ほど。
今までは地上の変化がありませんでしたが、これからはいよいよ変化が始まります。
柱状改良といって、地中深く支持地盤まで柱状に掘り進めながらセメント系の固化剤を送り込み、現場の土と混ぜ合わせて、硬い柱を何本も地中に作る工法です。その硬い柱の上に、建物の基礎が載ります。
まず初めの1本目は、私たち設計事務所の立ち会いのもと、固化剤の配合や地中の支持地盤などを確認しながらの作業です。
設計時のボーリング調査で、この敷地の地中の支持地盤は、地下9m前後のところにあることがわかっています。現場に据えたプラントで配合した固化剤を地中に送りこみながら掘っていくと、8mを超えたところで支持地盤に当たりました。
地盤の強さを確認して掘削機械を引き抜きます。
取り去ることが出来なかった既存の地下建物を避けて、改良柱の位置や建物基礎の形状を変更しています。地中の工事は、隠れてしまうので見えない部分ですが、多くの種類の技術に支えられているなぁ、とつくづく実感です。建築は職人さんたちの専門技術の結集ですね。